白足袋のあしあと (その3)

上天幕

昭和2年
名古屋 松坂屋洋服部 謹製
白羅紗に金銀糸の刺繍
雲竜の図
松永専三郎氏下絵(新屋町)
裏絵
「猛虎の図」
池上秀畝画伯 直筆
69×420

表/向って左部分

表/向って右部分

裏絵全景

昭和2年/新調当時の写真

上天幕は白羅紗に「雲竜」の金銀糸刺繍が施してある。図柄の下絵は町内「松永専三郎氏によるもので、名古屋松坂屋・洋服部にて製作された。
裏絵には昭和初期の絵画界の巨匠、池上秀畝画伯による「猛虎之図」が描かれている。氏は町内の渡辺忠五郎氏や松永専三郎氏らと親交厚く、それ故巨匠の作品を今に残すことになった。
また、上天幕の紐は何年か前に傷みがひどく、交換のため同様の物を探したが、手づくりで二重に組み込まれた複雑な造りになっていて、東京で見つけた職人さんに復元していただいた逸品である。
先人たちの見えないところまでこだわった、祭りへの思い入れは計り知れないものがある。

雲竜の図(部分)

猛虎の図(部分)

※H21〜23、3年間をかけ小田刺繍店さんにおいて、上天幕刺繍ならびに裏絵の修理が完了しました。

(下)天幕

大正3年
いとう呉服店 謹製
緋羅紗地に金銀糸の刺繍
桐に鳳凰
67×620
竹内庄吉翁 齢八十歳のお祝いにその記念として寄付された

鳳凰/向って左部分

鳳凰/向って右部分

下天幕は大正3年、旧々祢里新築時に、竹内庄吉氏、八十歳のお祝いの記念として寄付された。
丸提灯の図柄はこの天幕よりとったものである。

※H19&20年度・2ヵ年ににわたり、小田刺繍店において修理を行ない完了しました。

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